不器用なLOVER
「さっきの続きだけど…」

透弥さんが呟くように話し出す。

「朋弥のこと…晶には迷惑かけるけどもう少し付き合ってあげてくれる?」

小さく溜め息を吐くのが聞こえた

「…朋弥は大切な奴だから」

分かってるけど…。

「でも…私は透弥さんしかムリ。透弥さん以外はヤだよ…」

ゆっくり顔をあげた透弥さんは、片眉を上げてる。

「当たり前でしょ?晶は僕の彼女なんだから、いくら朋弥にも渡す気はないよ?」

「透弥さんは心配じゃないの?」

心細くて呟く。

「色々と構ってくるだろうけど…気にしないで」

いつもの調子で答える。

それだけ?
透弥さんは気にならないの?

膨れる私の頬に指を触れて、

顔を赤らめる透弥さんに、鼓動が一つ大きく波打って…、

「晶に触れられるのは僕だけだよ忘れないで…」

視線をそらし腕を顔に押し当てる透弥さんに、胸が締め付けられ、

透弥さんを見つめる。

片手で視線の先を変えさせられてしまう。

「朋弥には晶に触れるなって念を押しておくから」

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