不器用なLOVER
後夜祭のオードブルをビュッフェにして頼んであるということで学園食堂に来ている。
学園食堂といってもブルジョアジー…一流ホテル並の品揃えだった。
「私、食堂って利用したことなかったけど…こんななんだ」
「食事に気を配ってはいるよね。シェフを雇っているわけだから。学生により良い環境で勉学に勤しんでもらうための配慮だよ」
昼食を直に控えた食堂では学生のために下拵えがされた食材が食欲を誘う香りを漂わせている。
いい香り…。
お腹なっちゃいそうだよ…
透弥さんの顔を盗み見ると、
厨房の奥を直視している。
「透弥さん?」
私の声に反応したように、
「生徒会長さんでしたか?」
奥から中年の男性が現れた。
「すみませんお時間よろしいでしょうか?」
目の前でお辞儀をした男性に、
透弥さんが会釈を返すのに合わせ頭を下げる。
手にしていた封筒を男性に渡し、
「予算案です」
中身に目を通すのを確認してから続ける。
「必要経費は見てありますから、その範囲内でお願いします」
透弥さんの発言に、
「しかし、これでは…」
シェフが食いつくけど、
「もちろん最初から予算の範囲内でしょうから、こちらからの要望は特にありません」
有無を言わせぬ態度で切り捨てる
学園食堂といってもブルジョアジー…一流ホテル並の品揃えだった。
「私、食堂って利用したことなかったけど…こんななんだ」
「食事に気を配ってはいるよね。シェフを雇っているわけだから。学生により良い環境で勉学に勤しんでもらうための配慮だよ」
昼食を直に控えた食堂では学生のために下拵えがされた食材が食欲を誘う香りを漂わせている。
いい香り…。
お腹なっちゃいそうだよ…
透弥さんの顔を盗み見ると、
厨房の奥を直視している。
「透弥さん?」
私の声に反応したように、
「生徒会長さんでしたか?」
奥から中年の男性が現れた。
「すみませんお時間よろしいでしょうか?」
目の前でお辞儀をした男性に、
透弥さんが会釈を返すのに合わせ頭を下げる。
手にしていた封筒を男性に渡し、
「予算案です」
中身に目を通すのを確認してから続ける。
「必要経費は見てありますから、その範囲内でお願いします」
透弥さんの発言に、
「しかし、これでは…」
シェフが食いつくけど、
「もちろん最初から予算の範囲内でしょうから、こちらからの要望は特にありません」
有無を言わせぬ態度で切り捨てる