不器用なLOVER
1枚を手に取り1枚を手渡して、

「俺は燃える男で赤組団旗ね、
晶ちゃんは清楚で純白だから、
白組団旗」

返事に詰まるようなことを軽く言わないで欲しい。

「朋弥さんって直ぐ気障なこと、言うんですね…」

呆れて溜め息が出てしまう。

「そっか?俺は自分の心に素直に行動してるだけだけどな」

【自分の気持ちに真正直な朋弥は僕の憧れだった】

透弥さんの気持ちを私が代弁するなんて良くないよね?

「でも透弥の奴は、根が気障に
出来てんだよな」

「透弥さんは気障なこと言わないと思いますけど」

どちらかと言えば、
無口で冷静沈着…。

「アイツが言うのは嫌味か正論で余計ムカつくんだよな」

時々冷たい突っ込みされるけど…
ムカつくって程ではないよね?

「ってか透弥の場合は、行動が…存在自体気障じゃねぇ?」

それってある意味全否定です。
当然同意出来るはずもなく…。

「透弥さんは何でも出来るように見えるだけでホントは器用なんかじゃないです」

自分を装うことで…
自分の本音を隠して…
全部自分で背負い込む。
平穏を保とうとしてるだけ。

「晶ちゃん分かってんじゃん。
けど、やっぱアイツは気障だよ。
何でも一人で先回りして、
つまずくことも想定して、
その先まで見据えた上で、
掌で転がしやがる」

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