不器用なLOVER
影武者だなんて透弥さんは
朋弥さんをそんな風に見てたことなんてないのに…。

【朋弥に追い越されることに脅えてたんだ】

いつだって本気でライバルとして見てたんだよ?

「俺の家は宮原の分家だから、
宮原グループの全代表にはなれねぇけど全代表をサポートするって家訓があって、当然俺は透弥の側近になることが産まれた時点で決まってた」

従兄弟が側近になる決まりって、その子達の人権無視じゃん。
そんな封建社会まだ続いてるの?

「そんなの従う必要ないと思う」

私の憤慨に朋弥さんは
困ったように眉尻を下げる。

「ぅん〜、でも宮原グループを守るためには必要なことだからさ。
他人が入ってグループが分裂なんてことになったらそっちのがヤバイっしょ?」

そんなものなのかな?
庶民の感覚では測り知れないものなのかも…。

「それに俺、透弥の側近って立場不満に思ってねぇって前に言ったの嘘じゃねぇもん」

個人同士の感情と、
家系の関係と立場が
複雑に交差して絡みあってる。
解きほぐすのは、
簡単なことじゃないのかも?

「ってか、側近って言えるようなことなんて何も出来てなかったけどな…」

【俺達とは創りが違ぇんだ………
…何一つ俺はアイツに勝てたことなんてねぇ】

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