不器用なLOVER
二人で黙々と団旗と格闘してどれくらいの時間が経ったのか、
会長室のドアが開けられ、
主が足を踏み入れた。
「朋弥…」
目を丸くしその姿を捉える。
「何、してるの?」
透弥さんの位置からは、
直に床に胡坐をかき
背中を丸め
下を向いたままで
膝の上の腕を微かに動かす
朋弥さんの後ろ姿しか見えてない
「お、帰り、なさい」
まだ間に合ってないことが後ろ目たくて口籠る。
見開いたままの目を、
一瞬だけ私に向けて、
朋弥さんに戻す。
「朋弥…此処で何してたの?」
低く威圧的な声で聞き返した。
透弥さんが居ない間に、
朋弥さんを入れてしまったことを怒ってるの?
それなら私が…
「ごめんなさい…。
朋弥さんは悪くないの」
私の謝罪に透弥さんは、
切なそうに眉を潜めた。
「晶は…悪くないよ。
一人にした僕のせいだ」
透弥さんの言葉に被せるように
「あ〜ぁ、疲れた」
朋弥さんがゆっくり大きく伸びをする。
「そうだよね透弥?
お前が晶ちゃん一人に押し付けるから悪いんだよな?」
肩に手を置きながら首を左右に鳴らしている。
「お陰でこっちは訳も分からずに使いもしねぇ重いミシン此処まで運ばされ、挙句団旗の修繕手伝わされてよ。まさか晶ちゃんにヤマシイことしたなんて疑われてるなんてこたぁねぇよな?」
会長室のドアが開けられ、
主が足を踏み入れた。
「朋弥…」
目を丸くしその姿を捉える。
「何、してるの?」
透弥さんの位置からは、
直に床に胡坐をかき
背中を丸め
下を向いたままで
膝の上の腕を微かに動かす
朋弥さんの後ろ姿しか見えてない
「お、帰り、なさい」
まだ間に合ってないことが後ろ目たくて口籠る。
見開いたままの目を、
一瞬だけ私に向けて、
朋弥さんに戻す。
「朋弥…此処で何してたの?」
低く威圧的な声で聞き返した。
透弥さんが居ない間に、
朋弥さんを入れてしまったことを怒ってるの?
それなら私が…
「ごめんなさい…。
朋弥さんは悪くないの」
私の謝罪に透弥さんは、
切なそうに眉を潜めた。
「晶は…悪くないよ。
一人にした僕のせいだ」
透弥さんの言葉に被せるように
「あ〜ぁ、疲れた」
朋弥さんがゆっくり大きく伸びをする。
「そうだよね透弥?
お前が晶ちゃん一人に押し付けるから悪いんだよな?」
肩に手を置きながら首を左右に鳴らしている。
「お陰でこっちは訳も分からずに使いもしねぇ重いミシン此処まで運ばされ、挙句団旗の修繕手伝わされてよ。まさか晶ちゃんにヤマシイことしたなんて疑われてるなんてこたぁねぇよな?」