不器用なLOVER
生徒会長室を出て直ぐに、
授業終了のチャイムが響く

階下をトロトロと降りていると…

「里中さん」

声が降ってきた。

足音が小走りに近付く。

「ごめんなさい。気付かなくて」

謝りながら隣に並ぶ。

「プラクティスルームなんて、
どこにあるか分からないよね?」

はさみ込むように反隣に並んだ。

今回の経済の授業は、
プラクティスルームだったんだ。
それにしても長い名前。

「ねぇ、三人で話したんだけど
これからは四人で行動しようよ」

取り囲むように、
前に回り込まれ、
立ち止まった。

「…ありがとう」

答えに困って
とりあえずの返事に、

「決まり
今から里中さんのこと、晶ちゃんって呼んでいい?」

続く言葉が出ないうちに話が進んでいく。

結局、
三人はあっちゃんと呼ぶことで統一させ、
彼女たちは、
衣里、真姫、登喜子と呼ぶことに決定した。
三人は呼び捨てなのに…。
自分だけちゃん付けなのに少し距離を感じた。

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