不器用なLOVER
四人は並んで道を占領して歩いた。

「ところで、あっちゃん
1時間どこで何してたの?」

ストレートの黒髪を肩の辺りで揃えた、
女の子らしい衣里の問に

「まさかずっとウロウロしてたわけじゃないでょうね?」

細身だけど…。
少年?らしい真姫が続く。

「あっちゃんはサボりだよ」

筋肉質な体に小麦色の肌がよく似合う
登喜子が応えた。

「「サボりかあ〜」」

衣里と真姫がハモった。

「サボりじゃないもん…
ちゃんと勉強してたし」

如何にも以外だという表情で三人が一斉に振り返る。

「自習してたの…。
空き教室で…」

嘘ではない。
生徒会長と一緒とは言わない…。
模範生がサボりなんて言えない。
っていうのもあるけど…。
ほんとは何と無く秘密にしておきたかったから。


渡り廊下に差し掛かる時、
突然周りがザワツキ出した。

何事だろ?


ざわめきが波打って
近付く。


「キャー」
「素敵」
「かっこいい」

女の子たちのどよめきに、
後ろを振り返る。
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