不器用なLOVER
twentieth beginning
腑に落ちなかった私は、
透弥さんを探すことに。

絶対何か隠してる。
逸る気持ちのままに行動した。

探す間でもなく、

会長室に向かっていると思われる透弥さんを見付ける。

声を掛けようとも思ったけど、

少し距離を開け、
見失わないように付ける。

「やっぱり…」

会長室に入って行くのを確認して

「何してるの?」

後に続いた。

「晶…」

目を見開いた透弥さんの後ろ、
テーブルの上に積み上げられた

「お弁当…貰ってたの?」

山を見つめながら呟く。

「毎年のことだから…、
学食の使えない日は届けられる」

眉を潜め、

「差出人も分からないから、
断ることも返すことも出来ない」

溜め息を吐いた。

「でも…食べるんでしょ?」

少しだけ唇を尖らせて、

「適当に摘むつもりだったんだ。
ごめんなさい」

見つめる私に
透弥さんが謝る。

「でも晶がいい。
晶しか要らないから」

手を取り引き寄せ、
尖らせたままの唇に軽く触れた。

「最初から素直に頼めば良かった作ってくれる?って…」

触れただけのキスに、
唇に手を当てる。

「恐らく朋弥も同じだから…
今頃お弁当の処理してるよ」

その手に指を絡ませ動かす。

「多分もうすぐ集まってくるからそれまでの間だけ…」

唇を重ねた。

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