不器用なLOVER
【透弥の代わりなんてなれなかった】

【側近って言えるようなことなんて何も出来てなかったけどな…】

確に透弥さんとの関係を語る時はいつも過去形で話してたかも…。

「朋弥さん…、今は家族と住んでないの?」

宮原グループの事情で透弥さんにもどうしようもないことだと分かってるけど…。

朋弥さんを案じてしまう。

「縁切りと言っても一族の集まりには顔を出せないってことだよ」

透弥さんは聞いたこともない程に頼りない声で続ける。

「朋弥の父親も僕の父の側近で、その教育の元で育てられてるから側近役を外されることがどれだけ不名誉なことか自覚してるから。家にも居場所なんてないはず…」

家に居ても居場所がないなんて。

朋弥さん大丈夫なのかな?

いつも明るく笑ってる人で、
時々…からかわれるけど。
軽いイメージとは裏腹に、
透弥さんを一番に考えてる。
ホントは忠実な人で…。

透弥さんの側近に誇りを持ってた

【透弥の側近って立場不満に思ってねぇ】

あれは間違いなく本心だった。

大きな溜め息の後、

「なのに…僕は…」

透弥さんから…
後悔の念が溢れ出る…。

< 179 / 315 >

この作品をシェア

pagetop