不器用なLOVER
「レフュージを使わずラブホテルを使ったことを怒ってるの?」

透弥さんの眉間に皺が刻まれ、

「そんなはずがないでしょ?」

言い方はいつもと変わらないけど

「ならやっぱり透弥さんの名前で遊んでたこと?」

いつの間にか腰から外されていた腕を組む。

「それも…今に始まったことでもないから今更理由にもならない」

機嫌が悪いのは明らかだった。

「…透弥さんは、レフュージを使ったことがあるの?」

今聞くことではないことも明らかだけど気になって仕方なく。

呟き加減で尋ねてしまう。

「隠しても仕方ないから言うけど前にレフュージのスィート…利用した」

やっぱり透弥さんは経験者だった
私が初めてじゃないとは思ってたけどホントにそうだと聞かされると胸が締め付けられる。

「知ってると思うけど、あそこは宮原のだから…そこに僕が女性と二人で泊まる意味考えてみなよ」

ホテルに泊まった。

その事実だけで他には何も考えられない。

「オーナーの息子がスィートに泊まるってことは所謂お披露目ってこと…。いずれは籍を入れる相手で僕も、そのつもりだったし何もなかったとは言わない」

婚約者ってこと?

透弥さんの縁談は今のところは、なくなってるんじゃないの?

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