不器用なLOVER
透弥さんの上体の裸は初めてじゃなくって…。

「あれ?晶ちゃんもしかすると、透弥の裸見んの初めてなの?」

朋弥さんの言葉が更に追い討ちを掛ける。

思い出すのは会長室のソファ…。
未遂だけど…。

透弥さんの…指や舌の感覚が胸の膨らみに甦る。

「へぇ〜以外…透弥とまでヤってねぇんだ?」

【本当は手のが速ぇけど…】

透弥さんとそういう関係になってないことがそんなに以外なの?

【前にレフュージのスィート…利用した】

ホントは一度だけでは無いのかもしれない。

「朋弥さんは透弥さんの交際相手の全員を把握してるんですか?」

私が知らないことも朋弥さんなら知ってる。

「交際ってか…婚前交渉の相手は一応把握してるけど?」

振り返らなくても分かる。
今の朋弥さんは絶対意地悪な顔で私をからかうつもりなんだ。

「知りたい?」

やっぱり笑いを含んだ声。

「朋弥…晶には関係ないでしょ?余計な事言わないでよ」

透弥さんの呆れた声にも、
ついムキになって

「関係なくないもん。余計な事なんかじゃない」

突っ掛る。

「だよな?晶ちゃんにとっては、大問題だぜ透弥」

朋弥さんが透弥さんを諭すと。

「本当に晶が知りたいなら…、
僕が自分で答えるから」

過去の女性関係を気にする彼女は彼氏に嫌がられるって前に誰かが言ってたような…。

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