不器用なLOVER
未だ透弥さんの言わんとする真意が分からず首を振る。

「つまり…透弥の選んだ相手には知識と教養が必要だって言ったろ頭首に認めさせるにはこの学園の上位リストに上げられてねぇとな…筆記だけじゃなく実技でも」

実技って…
作法、洋裁、和裁、茶道、華道。
楽器や社交ダンスもあるよ…。

「んで…透弥の話を直訳すると、二人が性交渉出来る様にお膳立てして於いて今になって止めに入るなってことだ」

えっと…。
最後までしちゃダメってこと?

透弥さんが眉を潜めたままで、

「直訳するなら誤解の無いように言って欲しいよ…」

朋弥さんをたしなめた。

「朋弥が婚約破棄させた理由は、貞操観念の有無なんだよ。
それは、何も他の男との性交渉の有無に直結する訳じゃない。
自己管理の良し悪しに限るんだ。堕胎経験者に、複数者との関係…況してや不特定多数とだなんて」

苦笑を漏らす。

「個人の行為に口出しする気は、勿論ないんだ。
唯、それが宮原の嫁となると話は変わってしまう…。
性病予防にも当然の知識でしてるとは思うけど…コンドームは100%避妊出来る訳ではないからね」

透弥さんが重い溜め息を吐いた。

「堕胎経験は…流産のリスクを、高くしてしまい流産は癖になる。次代の出産を視野に入れて危険は回避為なければならない」

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