不器用なLOVER
二人で生徒会室に入って行くと、
各クラスの代表と生徒会委員が、
既に話し合っている最中だった。

「遅刻です。そちらの方は?」

透弥さんに話し掛けたせいで、
私達は大注目を受けている。

体中が熱くて汗が出そうだ。

透弥さんは冷静に、

「彼女は新しく実行委員になった22HRの里中晶さん」

透弥さんの紹介で私一人に視線が集まる。

「よっよろしくお願いします」

ピョコンと頭を下げた。

「知ってる。最近転校してきた子がめちゃめちゃ可愛いって噂になってる」

可愛いって噂にはなること無いと思うので、
もしなってるなら別の人です。

「確かに、可愛い。噂になんの分かるわ」

室内が騒然となって囃したてる。

どうしよう。
絶対私の事じゃないのに。

透弥さんはスタスタとホワイトボードの前まで行くと、
教壇を思いきり叩きつけた。

びっっびっくりした

室内の生徒も静まり反って注目していた。

「静かに。
君達はクラスの代表なんだから、
自覚を持って相応の態度をお願いします」

生徒会長の言葉に一斉に姿勢を正した。

「晶も席着いて」

私に向かって無表情で言った。

名前呼び捨てにされた。
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