不器用なLOVER
生徒会委員を含め、
体育祭実行委員は全員男子生徒。

私、すごく浮いてるし…。
居心地悪いよ。

話し合いにも参加出来ずに、意見を聞くだけで終わってしまった。

役立たずだ…。

「里中さん又ね」
「里中、気を付けろよ」

次々に帰る男の子達に手を振る。

気付けば、生徒会委員と私だけ。

「会長、次回までに今日の案を
具体的にまとめて下さい」
「あと、その際掛る費用の計算もお願いします」

ちょっと待った
それって会長の仕事なの
寧ろ委員皆とか、
会計の仕事じゃない。

ムカついて委員のことを順に睨んでしまう。

最終的に透弥さんの前で、視線が止まった。

っていうか、絡み合った。

私にだけ分かるように微笑んで、

「分かった。君達は会場の準備
進めてくれる」

「それではお先に失礼します」

各々が挨拶をして、部屋を後にして行く。

「二人きりだね」

透弥さんが目の前で立ち止まり、

「送っていく」

私の手を握った。

「でも…私、一人で大丈夫」

一気に近付いた距離に戸惑った。

嬉しく無いわけじゃない。
寧ろ飛び上がりたいぐらいなのに
素直になれなかった。

繋がれた手を引き離した。

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