不器用なLOVER
透弥さんに呼び出された彼等に、

【僕の最後の体育祭を潰すことが何を意味するかぐらい分かってるでしょ?】

あの意味もそういうことで彼等の焦り方が尋常ではなかったことが漸く納得いった。

「でも…態々、そんなことしなくても…皆の気持ちはまとまってた…と思うけど。自分の立場を悪くさせる必要があったの?」

透弥さんが何の為にそんなことを言わなければならないのか理解が出来ない。

敵を増やすのは得策ではないはず例え現時点では宮原グループに敵う相手がなくても…。

将来的に何が起こるか分からない今の世の中足元を掬われることがいつあっても不思議ではないはずなのに…どうして。

「その理由なら簡単なことだ…。1つは再開をより確実にする為…有無を言わせねぇようにだな…。1つは皆を一致団結させる為…。目に見て分かりやすい敵が居りゃ自然に団結するし早いからな…」

その答えはまたしても朋弥さんが解決してくれた。

「1つは今後の実行委員の進行に協力させスムーズに運ばせる為だ。時間を有効活用させて実行委員を免責させ様って腹だろうな。
んで最後に…何の権限もねぇ俺がいきなり出て来て偉そうに話したことに対して不平不満が向かない様にって気配り…」

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