不器用なLOVER
呆れた様に、
鼻で笑い出した。

「成る程ね…此れが会社のトップ。
我が社が気にも留めない理由が、よく解りましたよ。
皆さん視野が狭過ぎるんですよ。もっと柔軟に…あらゆる方面から観察した方が良いでしょうね。
日本の企業が世界に飲み込まれる前に気付いた方が良い。
今回のことももう一度よく考えて頂けば理事長の提案が如何に適切且つ貴女方にとって救いなのかが解るはずですよ?」

透弥さんの堂々と威厳ある態度に圧倒されたのか、好き勝手に言い合っていた者は押し黙る。

「お解りになられない様なので、順を追って御説明しましょう。
先ず、事の発端である乱闘騒ぎはエキサイトした生徒に逸速く気付かず黙殺した貴女方教育者側に責任が有ります。
気付かれているでしょうが…、
この学園の教師の不採用は全て、貴女方PTAに一任されている。
つまり…、教師の責任を問えば、自ずと採用側に責任は移行する。更に個人的な事を言わせて頂けば世界に名を馳せる宮原グループの…時期頭首がたかだか学園の体育祭さえまとめあげられないのかと、レッテルを貼られることになる」

透弥さんそれは絶大な効力を発揮してその場に居合わせた者が一斉に息を飲んだ。

それを確認し自制した様に
遠慮がちに続けた。

「元々その場に居合わせなかった僕に全責任があることは認めます…その上でもう一度申請します」


< 251 / 315 >

この作品をシェア

pagetop