不器用なLOVER
朋弥さんも息を飲み
制圧された。

「悪かったって。
で…ぶっ潰せばいいんだよな?」

透弥さんに向き直った朋弥さんに

「いや…今回は表向きは見合いをしようと思ってるんだ。
唯、彼女と二人になったと同時にビジネスに切り替える」

淡々と説明する。

たったこれだけの会話で透弥さんの意思を組み取ってしまった。

「お前もなかなか考える様になったじゃねぇか。
けどやっぱそうゆう汚ぇ裏工作は俺の専門分野だな。
お前がクリーンなイメージ壊す必要ねぇ交渉は任せときな話付けておいてやるよ」

愉快そうに笑う朋弥さんに付言をした。

「クリーンなイメージは朋弥が壊してると思うけど…。
お陰で僕は節操無しの無能な息子って知れ渡ってる」

それを気にも止めることなく、

「そういやそうだな。
その分敵は欺けてるはずだぜ?」

軽く受け流した。

透弥さんが短く息を吐く。

「朋弥…分かってると思うけど、交渉は短く簡潔に最小限のキーワードだけで相手にも悟らせず匂わせること無理強いはしないで…」

その説法に耳に手を当て、

「心構えだけさせろ!だろ?」

遮った。

眉をしかめつつも、

「分かってるなら良いんだ…。
唯…朋弥はビジネスの内容までは知らないから。
彼女に会っても心構えを忘れずに居て欲しい」

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