不器用なLOVER
透弥さんの心情も
朋弥さんの情熱も
志穂さんの真情も
私の中で溢れてどうしたいのかが自分でも分からなかった。

「アンタやっぱり変な女だね…。私と透弥さんとの関係は最初から期限付きのものだったんだから。あの時の透弥さんは宮原に逆らう何て馬鹿な真似はしやしないよ。今の透弥さんしか知らない幸せなアンタには分からないよ…」

ホントにそうだろうか?
根本は何も変わって無い筈だ。

「違うと思います!
志穂さんが本気で求めていれば、透弥さんは絶対に応えてくれた。透弥さんは何時だって自分よりも他人の気持ちを大事にする人よ」

志穂さんによりを戻して欲しい訳ではもちろんないけど…。
このまま消化不良の想いを
持ち続けて欲しくはなかった。

力説する私を志穂さんが笑う。

「そんな格好で説教されるとは」

ショーツ一枚身に纏い両手を握り足を広げ踏み締める姿に慌ててはみるものの何処を隠せば良いのか

「べっ…別に減るものじゃないし良いんです…」

開き直り直立の姿勢に正すだけにした。

「そうだね…。
アンタは大事にされてるよ!
鉄ちゃんが言ってた通りだけどさ透弥さんを信じて付いていけば、透弥さんはアンタを必ず守るよ。どんなに困難な壁でも打ち砕く」

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