不器用なLOVER
その顔は複雑に歪み
見ている此方が苦しくなった。
「何があったか知らないけど…、透弥さんに歯向かうなんて…。
鉄ちゃんらしくないじゃん…」
志穂さんも鉄ちゃんの表情に
困惑の色が隠せないのか歯切れが悪かった。
居心地の悪い空気を切り裂く
軽快なメロディー…。
「後夜祭が始まったね…。
行こう晶」
一人だけ悠然とした透弥さんが、私の手を取った。
「でも…」
この場に二人を残して行くのは…気が引ける。
二人の顔と透弥さんを見る。
私の気持ちを知ってるのか
「大丈夫…今は二人きりの方が、二人の為には良いから」
渋る私の耳元で囁き
そのまま手を引き歩き出した。
「晶をエスコート出来るのが僕で嬉しいよ」
「私も…透弥さんで良かった」
素直に微笑み返すと
「…単純」
ボソッと呟き顔を逸らせた。
よく見ると耳の後ろまで赤くして照れているのが分かり私まで顔が熱くなってきた。
「朋弥が今日は戻れないって連絡してきたけど…。
本気で後夜祭に間に合わせる気で交渉しに行くなんて呆れるよ。
最初から戻って来られる筈ないの分かりきってるのに」
楽しそうに話し出した。
「えっ?透弥さんは分かってて、朋弥さんに行かせたの?」
見ている此方が苦しくなった。
「何があったか知らないけど…、透弥さんに歯向かうなんて…。
鉄ちゃんらしくないじゃん…」
志穂さんも鉄ちゃんの表情に
困惑の色が隠せないのか歯切れが悪かった。
居心地の悪い空気を切り裂く
軽快なメロディー…。
「後夜祭が始まったね…。
行こう晶」
一人だけ悠然とした透弥さんが、私の手を取った。
「でも…」
この場に二人を残して行くのは…気が引ける。
二人の顔と透弥さんを見る。
私の気持ちを知ってるのか
「大丈夫…今は二人きりの方が、二人の為には良いから」
渋る私の耳元で囁き
そのまま手を引き歩き出した。
「晶をエスコート出来るのが僕で嬉しいよ」
「私も…透弥さんで良かった」
素直に微笑み返すと
「…単純」
ボソッと呟き顔を逸らせた。
よく見ると耳の後ろまで赤くして照れているのが分かり私まで顔が熱くなってきた。
「朋弥が今日は戻れないって連絡してきたけど…。
本気で後夜祭に間に合わせる気で交渉しに行くなんて呆れるよ。
最初から戻って来られる筈ないの分かりきってるのに」
楽しそうに話し出した。
「えっ?透弥さんは分かってて、朋弥さんに行かせたの?」