不器用なLOVER
「父一人子一人の家族なのに…、何かあったら何でもいいから、すぐおじさんに相談するんだよ」

「大丈夫だよ」

何て話していると、

職員室の前で立ち止まった辰おじさんは、軽く咳払いをした。

「威厳を出さなきゃな」

ドアを開け、ズンズン進む辰おじさんの後を小走りに着いていく。
ある席で立ち止まった
辰おじさんの背中にぶつかる寸前

後ろから腕を引かれ持ち堪えた。

直ぐ振り返ったけど、
その人らしき人物は何もなかったように、
職員室を後にして行った。

顔見れなかったなあ…。
お礼もできなかった…。

「…里中さん担任の高島先生だ」

辰おじさんの声で慌てて挨拶をする。

「里中晶です。よろしくお願いします」

「22HR担任の高島です。解らないことがあったら、聞いてくれ」

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