不器用なLOVER
何言っても無駄だと思い、
三人に手を振る。

「でも何であんなに嫌うの?」

一人呟いた。

「何を嫌うのかしら?」

私の言葉に前方から返事を返す、

「少しお時間よろしくて?」

生徒会長取巻代表が私を睨む。

有無を言わさぬ態度に、
オドオド従った。

連れてこられた体育館裏には、
当然の如くお仲間が…。

「へ〜、噂通り可愛い顔してんじゃん」

恐らく学園の生徒ではない男がイヤらしく笑う。

「最初は俺がカワイがる。
お前等の後は耐えられん」

後ろから割込んで来た学園の制服を身に纏った男に、

「お待ちになって。それは最終手段と言ったはずです」

取巻代表女が言いつける。
最終手段って何よ

この状況に足が震えて、
立っているのがやっとだった。

「簡単なことでしてよ。
二度と宮原様にお近付きにならないで頂きたいの」

唇を軽く持ち上げて、冷たく笑う。

宮原様って…透弥さんだよね?

「お断りされるつもりでしたら…少々野蛮な方々が、お相手下さるそうですわ」

それを受けて、

「少々荒っぽいが、痛いのは最初だけだ」

男たちはニヤつきながら私を舐めるように見た。

最終手段って…。



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