不器用なLOVER
「登喜子可愛い」

真姫が更にからかうと耳まで赤くなっていく。
普段の登喜子から想像出来ない。

「あっちゃんが証明すればいいんじゃない?」

衣里の提案に目を輝かす真姫と、対称的に登喜子に心配そうに見つめられる。

でも…正に私も同じ様な状況っていうか。
ホテルには連れ込まれたりしてないけど。
返事に困っていた。

「ところで会長ってやっぱ経験豊富なだけあって上手いの?」

真姫の質問の意味が分からず、首を傾げる。

「真姫も決めつけてるじゃん」

登喜子が面白がって頬を上気させ

「あっちゃんは会長が初めてなんだから分かるはずないでしょ」

衣里が二人をたしなめる。

「でもさ、下手な相手とはいくら好きでもしたくないじゃない」

登喜子はまだ衣里に対抗してる。
真姫も頷いて続けた。

「確に、初めてなら尚更行為自体嫌いになることも考えられる」

「それもそうね…」

衣里も納得した様子で、三人が一斉に私を見つめた。

「「「どうなの?」」」

声がハモる。

どっ…どうって何が?
私が知りたいんですけど?
っていうかこの人達透弥さんのこと嫌ってるはずなのに、何でこんなに興味深々なんだ?

尚も迫りくる三人の勢いにたじろぐ。

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