不器用なLOVER
どう勘違いしたんだか衣里は、

「気持ち良かったかなんて最初から分からないよね?
じゃあね、唇が離れた時寂しかった?それとも早く離れて欲しかった?」

私の感想を促している。

ただ顔を赤く染めて丸くした目で見つめてしまう。

昼休みも残り少なくなり生徒達が教室に戻ってざわつき始めた。

昼休み終了のチャイムが鳴り、

「タイムリミッドだ。晶放課後は逃がさないから」

真姫が悪魔の微笑みを残し席に戻ったところで授業開始のチャイムが鳴る。

キスに気持ち良いなんてあるの?ただ初めてのキスも不思議と嫌な気はしなかった。まだ透弥さんを好きでもないときだったはずなのに…。

まあ…あれは直ぐ離れたけど。
最後にしたキスは…。
あれ?
あれあれ?
もしかして…。
4回か5回っていう触れただけのっていうかその前におもいっきり拒絶してなかった?
いきなり舌が入って驚いたけど、別に拒否しなくても良かった?
舌の感触っていってもちょっとだけでびっくりしてる間に終わってたっていうか終わらせてしまったわけで。
キスが良いなんて思える程の経験値があるわけないじゃない。
私が拒絶したからキスしてくれなくなったのかな?
でも…その後だって押し倒されちゃったわけで。
いくら考えても理由なんて分からない。

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