不器用なLOVER

「そういうなよ。俺とお前の仲じゃねぇか」

お二人はどの様なご関係で?

「僕との関係?迷惑以外の何者でもないよ」

何か険悪な感じ?
透弥さんは相変わらずの淡々とし過ぎな話し方に戻ってるし、
朋弥って人は逆にふわふわと掴み所がない感じだ。

「まさか、まだ根に持ってるわけじゃねぇよな?」

間髪入れずに、

「他校の女性と関係を持った挙句トラブルだけ押し付けたこと?
僕の名前使っての遊び?」

なっ何か凄い話ししてるような。

「どっちもだよ。っんだよ過ぎた話だろ?大体俺だかお前だか区別も付かないようなミーハー女からお前のこと守ってやったんだから感謝しろっての」

反省の色が見えない。
っていうか開き直り?
逆ギレ?

いつの間にか直ぐ傍まで寄って、二人の会話に聞き入ってしまい。

透弥さんの背中に張り付いてて、

「晶」
「晶ちゃん」

二人に同時に声を掛けられた。

ヤバイ
慌てて引っ込んだ時には既に遅く

私の手首を掴んだ朋弥さんと、その手首を掴んだ透弥さんがもつれ合うように雪崩込んだ。

転ぶ

体勢を立て直すには余りにも短すぎる距離に床との衝突を覚悟した

衝撃は想像とは違って上と下から押し潰された感覚で痛くはないけど…。

「くっ…る、しい」

私の圧迫された声に、

「朋弥、早く降りて」

珍しく焦った透弥さんの声が下から聞こえた。