不器用なLOVER
でも…透弥さん以外はいやぁ

唇が触れる前に、朋弥さんの顔が一気に遠退く。

「何、してるの?」

その声に体が反応し、見上げれば朋弥さんの額を押さえ付けてる、

「透弥お前なぁ、力込め過ぎ。
鞭打になったら慰謝料請求してやるからな」

「朋弥、鞭打っていうのは一方方向に押すだけではならないから…精々筋違いがいいとこ」

朋弥さんは透弥さんの手を外そうと手首を掴むが、

「痛ってぇ、止めろってマジで」

痛みに顔を歪めた。

「なら…何してたか説明して。
返答次第では…分かってるよね?朋弥…」

まさか朋弥さんホントに言っちゃうつもりなの?
どうしよう透弥さんに私の気持ち知られちゃったら。

考えるだけで鼓動が痛い。

「分かったって。晶ちゃん教えて欲しいんだって…」

もう駄目だ…私は透弥さんにウザがられて嫌われてしまう。

「俺との関係を」

溢れ落ちそうになっていた涙が、

「それをネタに晶に迫るなんて、最低だな朋弥」

一旦額から外れた腕が下に落ち、勢いそのままに襟元を捻上げる。

「くっ苦しい」

透弥さんの腕を朋弥さんが叩く。

「透弥さん違うの。私が悪いの」

透弥さんの腕にしがみついて、

「私が教えて欲しかったのは…、ホントは、キスの仕方なの。…上手に透弥さんとしたかったの…」

次々に頬に伝い落ちた。

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