イナフ ー失われた物語ー 【小説】
私は完全な彼の犬になった
両方のリングに彼は細い鎖をつなぎ
舌を引き出す
声の出ない私ははあはあ喘ぐだけ
本当の犬のように舌を出して
はあはあと喘ぐだけの家畜になった
舌が引かれるたびに
気の遠くなるような愉悦が襲う
あまりの快感に涙が止まらなくなる
よだれが口の端から流れ
知らないうちに何度も放出している
彼は私の口にそれを流し込む
白く生臭い体液にまみれた私の舌を
更に彼は二本の指でゆっくりと
入り口から喉の奥までまさぐり
かきまわしてもみしだく
舌を引き出されたまま
唾液と生臭い体液を口のなかで
ぐちゃぐちゃにかきまぜられて
唇がどろどろに汚される
彼の指が口の中の粘膜と舌の感触を
気が済むまで執拗に味わい続ける
波のように襲ってくる愛撫の快感に
身体の痺れが止まらない
エサをねだる犬のように
鼻を鳴らして吐息で喘ぐ
彼の指づかいが激しくなってくる
恥ずかしい家畜だな!
奴隷のお前にはお似合いだよ
鎖も…この恥ずかしい姿も
耳元で彼が上ずった声で囁く
彼の吐息が耳をなぶるたびに
頭の中が腫れたように痺れて疼く
お前は鎖でつながれた犬だ
エサをもらえて嬉しいだろう?
こんな恥ずかしくて臭いエサを
欲しがるのはお前だけだ…家畜!
その言葉に
一気に愉悦が膨らみ暴発する
下腹部が灼熱で溶かされる
熾火を仕込まれたような
深い熔岩のような
滑らかな高温の熱に犯され続ける
気が狂ったような愛撫と
狂ったように応え続ける私の淫器
こんないやらしい反応を
誰が教えたんだ?
言ってみろ…犬…
お前の体にこんな淫らな刻印を
誰が刻んだんだ?
初めてじゃないだろう?
もう前からたまらなかったんだろう
俺に感謝しろ!
お前を救ってやったんだ!
こんな淫乱な犬…どうしようもない
役立たず!
役立たず!
俺にひざまずけ
服従しろ
壊して人様の前に出れなくしてやる