イナフ ー失われた物語ー 【小説】




私は眠りつづけた

夜になっても私は

深くて長い眠りの中にいた

彼が来たのも覚えていないほどの

久々の深い安らかな眠りだった


どれくらい経っただろう


気がつくと

朝になっていて

警察が来ていた


久しぶりの事情聴取だった

何か思い出したことは?


いえ…

なにも



私は微笑んでいた


いいえ

なにも…







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