恋人は専属執事様Ⅰ
放課後になり、漸く鷹護さんのスパルタから解放された私を優しい笑顔で迎えてくれたのは藤臣さん。
「随分とお疲れのようですが、お加減は如何ですか?お嬢様…」
心配そうな表情で私の顔を覗き込みながら、そっとバッグを持ってくれる。
「本日の執事候補生…鷹護君は口煩く窮屈な思いをされたのではないですか?」
チラッと鷹護さんを見てから私にこんなことを言う藤臣さんは綺麗だけど黒い笑顔で…
「藤臣さんがお嬢様を甘やかされるから、わたくしが仕方なくご忠告を申し上げる羽目になるのです」
藤臣さんの発言と笑顔を受けて、鷹護さんが端正な顔を僅かに歪めこう応える。
間に挟まれた私は居たたまれない思いで首を竦める。
そんな私の気も知らず、クラスの女子は溜め息混じりに
「氷雪の君と第二の氷雪の君最有力候補の2ショットは絵になりますわねぇ…」
などと暢気に言っているし…
気まずい私の両脇では
「学園で鷹護君がお仕えしてくれるのですから、お屋敷でくらいはお嬢様にお寛ぎいただきたいのですよ」
(黒い)笑顔でそう応える藤臣さんに
「わたくしがお嬢様にお仕えするのは4日に一度ですから、藤臣さんがそのようなお考えでは困ります」
そう言う鷹護さんも藤臣さんと同じように(黒い)笑顔で、2人して怖いデス…
因みに、藤臣さんが鷹護さんを君付けで呼ぶのには、ちゃんとした訳があって…
実は藤臣さん、OBとして年に何回か学園に講師として来て、執事候補生に講義や実演をしてるとか。
後輩であり生徒でもあるから、執事候補生全員を君付けで呼ぶみたい。
逆に言えば、執事候補生全員は講師として藤臣さんを知ってる訳で。
藤臣さんが学園内を歩いてると、通りすがりの執事候補生が挨拶をしたりとか。
大体、この聖真学園に入学する執事候補生は、その殆どが藤臣さんを目標に目当てに来てるらしい。
流石は最高記録保持者!
これってすごいこと…だよね?
ちょっと思考を現実逃避させてる間に、漸く決着(?)がついたのか、先に鷹護さんが
「お嬢様、本日はこちらで失礼いたします」
と私に深々と丁寧にお辞儀をして、藤臣さんにも
「またご指導の程よろしくお願いいたします」
と一礼すると、教室から一歩出たところで振り向き
「それでは失礼いたします」
と一礼して、颯爽と廊下を歩いて行った。
「随分とお疲れのようですが、お加減は如何ですか?お嬢様…」
心配そうな表情で私の顔を覗き込みながら、そっとバッグを持ってくれる。
「本日の執事候補生…鷹護君は口煩く窮屈な思いをされたのではないですか?」
チラッと鷹護さんを見てから私にこんなことを言う藤臣さんは綺麗だけど黒い笑顔で…
「藤臣さんがお嬢様を甘やかされるから、わたくしが仕方なくご忠告を申し上げる羽目になるのです」
藤臣さんの発言と笑顔を受けて、鷹護さんが端正な顔を僅かに歪めこう応える。
間に挟まれた私は居たたまれない思いで首を竦める。
そんな私の気も知らず、クラスの女子は溜め息混じりに
「氷雪の君と第二の氷雪の君最有力候補の2ショットは絵になりますわねぇ…」
などと暢気に言っているし…
気まずい私の両脇では
「学園で鷹護君がお仕えしてくれるのですから、お屋敷でくらいはお嬢様にお寛ぎいただきたいのですよ」
(黒い)笑顔でそう応える藤臣さんに
「わたくしがお嬢様にお仕えするのは4日に一度ですから、藤臣さんがそのようなお考えでは困ります」
そう言う鷹護さんも藤臣さんと同じように(黒い)笑顔で、2人して怖いデス…
因みに、藤臣さんが鷹護さんを君付けで呼ぶのには、ちゃんとした訳があって…
実は藤臣さん、OBとして年に何回か学園に講師として来て、執事候補生に講義や実演をしてるとか。
後輩であり生徒でもあるから、執事候補生全員を君付けで呼ぶみたい。
逆に言えば、執事候補生全員は講師として藤臣さんを知ってる訳で。
藤臣さんが学園内を歩いてると、通りすがりの執事候補生が挨拶をしたりとか。
大体、この聖真学園に入学する執事候補生は、その殆どが藤臣さんを目標に目当てに来てるらしい。
流石は最高記録保持者!
これってすごいこと…だよね?
ちょっと思考を現実逃避させてる間に、漸く決着(?)がついたのか、先に鷹護さんが
「お嬢様、本日はこちらで失礼いたします」
と私に深々と丁寧にお辞儀をして、藤臣さんにも
「またご指導の程よろしくお願いいたします」
と一礼すると、教室から一歩出たところで振り向き
「それでは失礼いたします」
と一礼して、颯爽と廊下を歩いて行った。