恋人は専属執事様Ⅰ
私は放課後になっても眠り続け、迎えに来てくれた藤臣さんに抱き抱えられて移動したらしい。
目覚めたのは明け方。
1人ベッドから起き上がり、バスルームでシャワーを浴びた。
胸元に残る赤い印が、昨日の宝井さんとの出来事を思い出させる。
やっぱり途中までしか思い出せないけど…最後までしちゃった…んだよね?
初めてだったのに、何も覚えてないなんて…
ぼんやりと身支度を済ませ、制服に着替えてソファーに座っていると、藤臣さんが朝ご飯を持って来てくれた。
「顔色が悪いけど、保健室行くか?」
そっと私に耳打ちする秋津君に大丈夫と答えたけど、全然大丈夫に見えないと強引に保健室へ連行された。
今日も保険医の先生はいないみたいで、保健室は誰もいなかった。
「ゆっくり休めよ、俺はそこの椅子に座ってるから」
カーテンの外に見える椅子を指差しながら秋津君はそう言ってカーテンを閉めて出て行った。
保健室のベッドなんて…昨日の宝井さんの言葉が余計に頭の中をグルグルする。
『初めては誰でも辛いって聞くから、さっきのことは気にすんな。2回目からは淑乃も十分に楽しめるから安心しろって意味…解った?』
『ご馳走さま、可愛かったよ。泣いて縋る顔もね…』
気にするなと言われても…気になるのは初めてだったから?
宝井さんが相手だったから?
淑乃と名前呼びされて意識しただけ?
自然に可愛いとか言われて上せただけ?
泣いて縋る程良かったんじゃないの?
何で全然覚えていないの?
本当に嫌ならすごく抵抗した筈だけど、手足にそんな痕跡もなく…
好きで身を任せたんだよね?
雰囲気に流されちゃっただけ?
悩んでも覚えていないから答えが出る訳もなく…
初めてだったのに覚えていないとかあるの?
「大人しく悩めないなら1人で抱え込むな、バカ!」
悶絶する私にカーテンの向こうから秋津君のツッコミが入る。
「開けるぞ」
と言ったきり入る気配のない秋津君。
「返事は?」
の問いに漸く、秋津君が私の返事を待ってくれていると気付き
「はい、どうぞ!」
と応えた声はひっくり返っていた。
「緊張しすぎだ、バカ」
と言う声と共に秋津君がカーテンを開けた。
「イレブンジィス?ランチ?」
「…ランチ」
珍しく悩み続けた私は、予想以上にお腹が空いていた…
目覚めたのは明け方。
1人ベッドから起き上がり、バスルームでシャワーを浴びた。
胸元に残る赤い印が、昨日の宝井さんとの出来事を思い出させる。
やっぱり途中までしか思い出せないけど…最後までしちゃった…んだよね?
初めてだったのに、何も覚えてないなんて…
ぼんやりと身支度を済ませ、制服に着替えてソファーに座っていると、藤臣さんが朝ご飯を持って来てくれた。
「顔色が悪いけど、保健室行くか?」
そっと私に耳打ちする秋津君に大丈夫と答えたけど、全然大丈夫に見えないと強引に保健室へ連行された。
今日も保険医の先生はいないみたいで、保健室は誰もいなかった。
「ゆっくり休めよ、俺はそこの椅子に座ってるから」
カーテンの外に見える椅子を指差しながら秋津君はそう言ってカーテンを閉めて出て行った。
保健室のベッドなんて…昨日の宝井さんの言葉が余計に頭の中をグルグルする。
『初めては誰でも辛いって聞くから、さっきのことは気にすんな。2回目からは淑乃も十分に楽しめるから安心しろって意味…解った?』
『ご馳走さま、可愛かったよ。泣いて縋る顔もね…』
気にするなと言われても…気になるのは初めてだったから?
宝井さんが相手だったから?
淑乃と名前呼びされて意識しただけ?
自然に可愛いとか言われて上せただけ?
泣いて縋る程良かったんじゃないの?
何で全然覚えていないの?
本当に嫌ならすごく抵抗した筈だけど、手足にそんな痕跡もなく…
好きで身を任せたんだよね?
雰囲気に流されちゃっただけ?
悩んでも覚えていないから答えが出る訳もなく…
初めてだったのに覚えていないとかあるの?
「大人しく悩めないなら1人で抱え込むな、バカ!」
悶絶する私にカーテンの向こうから秋津君のツッコミが入る。
「開けるぞ」
と言ったきり入る気配のない秋津君。
「返事は?」
の問いに漸く、秋津君が私の返事を待ってくれていると気付き
「はい、どうぞ!」
と応えた声はひっくり返っていた。
「緊張しすぎだ、バカ」
と言う声と共に秋津君がカーテンを開けた。
「イレブンジィス?ランチ?」
「…ランチ」
珍しく悩み続けた私は、予想以上にお腹が空いていた…