ダーリンは王子様★
その後も、うまく足をかけられたり体当たりされたりとディオール姉さんの攻撃が続く。


「蒼井さん大丈夫?」


「は、はいっ…」



同じチームの3年生が声をかけてくれた。



どうしよう…

完全に足引っ張ってる…

みんなに迷惑かけてる…せっかく出てって頼まれたのに、全然役に立ってないよ…




目の前が…クラクラする……


足元がフワフワする………



ドリブルで迫ってくる相手チームの先輩。




今度こそ…今度こそ止めなくちゃ…




止め、ない…と……





次の瞬間、先輩とぶつかった衝撃で身体が地面に叩きつけられあたしの思考回路もそこで途切れてしまった。









――――――――――


なんだか頭がひんやりして気持ちがいい。



ゆっくりと目を開ける。



どこだろう…ここ…



2、3回瞬きをする。


天井を見ていると視界の端からぬっと顔が飛び出してきた。



「………ギャッ!」


「なに驚いてんの。」


「おお王子!」



「気が付いたか。」


「あのー…あたし…」



王子があたしの首もとにペタッと手をくっつけた。



「……熱はさっきより下がったっぽいな。」


「…熱?」


「お前今日もしかして体調悪かったんじゃないの。」


「そ、そんなことないですっ!超元気です!」


「超元気なやつが試合中に倒れるかフツー。」


「へ!?あたし、倒れたんですか!?」


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