ダーリンは王子様★
あたりを見回す。どうやら保健室らしい。


「熱、ここきたとき8度こえてたぞ。」


「は、はぁ…」



通りで頭痛くなるし、めまいも起こるわけだよ。


氷枕にオデコには冷えピタが貼ってある。


「………はあ。死んだかと思った…」


「不吉なこと言わないでくださいよ。」


「だって声かけても全然反応ないし…重いし…」


「へ…もしかして王子が運んできてくれたんですか!?」


「ちょっとダイエットしたほうがいいと思うよ。」




王子……


あたしなんかのためにわざわざ運んでくれるなんて…


思わず目にジワッと涙が込み上げたので布団を頭までかぶった。



「え!?なに!?怒った!?ごめん!うそうそ!」


「うぅ…怒ってないです…感動してるんです…」


「なんだそれ。」


「は!試合!試合はどうなりましたか!?勝ちましたか!?」




そうだよ試合!


ガバッと布団から顔を出す。



「勝ったよ。」


「本当ですか!?良かった……あたし足引っ張ってチームに迷惑かけてたから…負けたらあたしのせいだなと思ってたから…良かったぁ。」


「…蒼井ってお人好しだな。」


「そうですか?あ、それとデートはナシでいいです。」


「優勝したのに?」


「あたし全然活躍してないし、優勝したのは他の人のおかげですから☆」


これでデートしてくださいなんて図々しいこと言えないよ。

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