ダーリンは王子様★
「どうぞ。」



中からいつもの“あの人”の声が聞こえてきた。



「失礼します。」



ガラガラっと教室の真っ白なドアをあける。



部屋を開けた瞬間、フラワーベースの爽やかな香りが鼻の中を通った。


いつも焚いているアロマの香り。


教室の窓には白いレースのカーテンがかかっていて、日差しが適度に差し込んで来てあたたかい。


白いソファーに白いテーブル、白くてかわいい小さな食器棚。


テーブルの上には真っ赤なバラがたくさんささった花瓶。


部屋の奥には大きな白いグランドピアノ。その近くの棚の上に置かれた、白いコンポから流れてくるのはクラシック。



そして窓を少しあけて風を浴びながら、ハイビスカスティーを優雅に飲んでいるのは…










「おはようございます、王子。」


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