ダーリンは王子様★
◆ドキドキ修学旅行
―――――――――
「あれ?そう言えば…あゆって今日ウィーン帰るんだよね?」
姉貴がリビングで新聞紙を広げながら思い出したように言う。
「アンタ行かなくていいの?」
「……他に行くとこがあんだよ。」
俺はペットボトルのミネラルウォーターを飲み干すと家を出た。
そして携帯を出して、電話をかける。
あゆに。
プルルル…
プルルル…
プル………
『もしもーし♪』
3コール目で出た。
「もしもし…」
『政宗~?ちょっとあたしもう空港着いちゃったよー!』
「ごめん…あゆ。俺、今日空港にはいけない。」
『え?』
「…前から、今日は予定が入ってて、その約束はどうしても守りたいから…」
アイツの笑った顔が頭をよぎった。
『…そっか。じゃあしょうがないね。』
「それと…こないだの話だけど……」
『うん…』
「確かにあゆのことは好きだし、うれしかった。だけど…気持ちには応えられない。」
なんでだろう…
確かに俺はあゆを好きだったハズなのに。
あんなに好きだったハズなのに。
「俺が近くにいないと、側にいないと、悲しむヤツがいるから。」
俺はあの日、初めて蒼井の涙を見た。
瞬間的に、俺があゆを好きだったことにショックを受けていると分かった。
“今は違う。好きじゃない”
そう言えばアイツはすぐに安心したかもしれない。
だけど俺はなぜか素直にそう言えなくて、
まるで
試すように
言ってしまった。
“好きだったらなんなの”
「あれ?そう言えば…あゆって今日ウィーン帰るんだよね?」
姉貴がリビングで新聞紙を広げながら思い出したように言う。
「アンタ行かなくていいの?」
「……他に行くとこがあんだよ。」
俺はペットボトルのミネラルウォーターを飲み干すと家を出た。
そして携帯を出して、電話をかける。
あゆに。
プルルル…
プルルル…
プル………
『もしもーし♪』
3コール目で出た。
「もしもし…」
『政宗~?ちょっとあたしもう空港着いちゃったよー!』
「ごめん…あゆ。俺、今日空港にはいけない。」
『え?』
「…前から、今日は予定が入ってて、その約束はどうしても守りたいから…」
アイツの笑った顔が頭をよぎった。
『…そっか。じゃあしょうがないね。』
「それと…こないだの話だけど……」
『うん…』
「確かにあゆのことは好きだし、うれしかった。だけど…気持ちには応えられない。」
なんでだろう…
確かに俺はあゆを好きだったハズなのに。
あんなに好きだったハズなのに。
「俺が近くにいないと、側にいないと、悲しむヤツがいるから。」
俺はあの日、初めて蒼井の涙を見た。
瞬間的に、俺があゆを好きだったことにショックを受けていると分かった。
“今は違う。好きじゃない”
そう言えばアイツはすぐに安心したかもしれない。
だけど俺はなぜか素直にそう言えなくて、
まるで
試すように
言ってしまった。
“好きだったらなんなの”