ダーリンは王子様★
そんなことを考えていたら意外にもあゆから告白を受けた。


本当はうれしいハズなのに素直に喜べなかった。真っ先に蒼井の顔が浮かんだ。


俺があゆとうまくいったらアイツはどう思うだろうか…


悲しむかな。

泣くかな。


なんで俺、


こんなにアイツのこと考えてんだ?



あゆが言っていた。


一緒にいるときは、それが当たり前でまるで空気のような存在としか思わない。


だけど、離れて気付く。


近くにいないと、何してるかなってその人のことを考えることが多くなる。


いないとなんだか不安になる。



つまり空気だった存在は気付かないうちに自分と切っても切り離せない存在になっている。



俺にとって、そういう存在はあゆだった。



アイツに出会う前までは…



恋愛感情として好きとかじゃない。


好きじゃないけど、なんでだろう。


近くにいないだけで、いつもとこんなに違う。



たぶんアイツには俺が必要だし、




認めたくないけど…



俺にもアイツが必要なのかもしれない。











『悲しむヤツって……もしかしてユカちゃん?』


「…うん。」


『…そっか。実は昨日…ユカちゃんに会いに行ったんだ。』


「え!?」


『ユカちゃんだって政宗のこと好きなハズなのに、嫌な顔ひとつせずあたしと話してくれて、尊敬してますって言ってくれた。本当にイイ子だね☆』


「……へぇ。」


『それと…ずっと一緒にいたあたし以上にユカちゃんは政宗のことを見てるし理解してるよ☆』


「蒼井が?」


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