ダーリンは王子様★
立ち上がりお茶を入れに流し場に行く。


ホッと胸をなでおろし、ティーポットに茶葉を入れる。



「へぇ~。政宗くんもなかなかやるね~♪」



「どぅわっ!」


真後ろで梓さんが微笑みながらティーポットにお湯を入れてくれた。



「な…なんですか…急に…」



「なんだかんだ言ってユカちゃんとうまくいってるんだね☆ホッとしたよ♪」


梓さんからティーポットを受け取りカップに注ぐ。




「いってないですから!」


「でもどうせ指輪をあげるならちゃんとしたやつあげたら?小指じゃなくて薬指用☆」


「…付き合ってないやつにあげる主義はありません。」


「じゃあ早く付き合っちゃえばいいのに。」


「なっ!?つつつきあうって…俺には王子という職務が…」


「紅茶☆こぼれてるよ?」


「ぅわっ!」



コップからはダージリンティーがなみなみと溢れていた。


あーもー!
梓さんっ!!



慌てて台拭きで拭う。



「ユカちゃんは自分のこと大好きだから大丈夫、なんて過信してるとそのうち誰かに取られちゃうよ?ユカちゃんカワイイってうちのクラスで結構人気あるし☆」


「えぇ!?」


「あ、今、かなり動揺したね?」


「してません!」


「全く…素直じゃないんだから。でも人気あるのは事実だよ?ほら、うちのクラス、ユカ兄がいるからそれでみんな知ってるんだけど、ユカ兄に内緒で本気で狙ってるヤツとかいるしね~…」


「へぇ…」


「意外にのんびり構えてると、後悔するかもよ☆」


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