ダーリンは王子様★
まるで脅しとも取れる発言に俺は軽く苦笑いをして答えた。


てか指輪あげたのバレてたし…


ごまかした意味ゼロじゃん。



「あず先輩となに話してたんですか?」


お茶をテーブルまで持っていくと蒼井が首を傾げた。


「別に…雑談。」


「ふぅーん。」



「ユカちゃんが人気あるって話だよ♪」


「梓さん!」


もー!
なぜ余計なことを言う!


「あたし…ですか??」


「うん☆うちのクラスで人気なんだよ♪」


「あ…そういえば昨日全然知らない男の先輩に帰り話しかけられましたー。」


「ブッ!」


思わず飲んでいたお茶を噴き出しそうになる。


「じゃあアレは3Aの先輩だったのか…」



人気あるって…

リアルなのか…



コイツが


人気ねぇ…。



梓さんはコホンと咳払いをし、俺に向かってウィンクをすると部屋から出ていった。




「…なに話したの、その先輩と。」


「えっと、アドレス交換しようって言われました。」



反射的に眉毛がピクッと動いた。



「…交換したの?」



「まさかー!してないですよー。丁重にお断りしましたよ?」


「あ、そう…」



ヤバい俺…

今ものすごくホッとしてる!

悔しいけどホッとしてる!



「そういえば王子、10月ももう終わりますけど、決まってるんですか?」


「なにが?」


「なにって、次期王子候補ですよ!」


聞いた瞬間、血の気がひいていくカンジに襲われた…



「忘れてたっ!!」


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