ダーリンは王子様★
ならいいんだけど…





………………ん…?




「……王子?どうかしました?」


「え?あぁ…なんでもない。」




なんか……誰かに見られてる気がしたんだけど…気のせいか…。






「気をつけて帰れよ。あ、それと、家着いたらちゃんと連絡すること!分かった?」


「はーい☆」



「じゃあな。」



「……王子っ!」



突然、蒼井がガバッと俺に抱き付いた。


………な、なに!?
なにごと!?



「…今日はありがとうございました☆超楽しかったです。」



素直で、無邪気で、天真爛漫、子どもみたいに喜怒哀楽を恥ずかしげもなく表現できる。



俺には持ってないものを蒼井は持っている。



憧れなんてないと思ってたけど、実は知らないうちに蒼井のそういう部分に憧れてたのかもしれない。



蒼井は俺なんかにはもったいないくらい、最高のヤツだよ。



まぁ…本人には言わないけど。




「…はーっ☆王子は抱き心地が最高です…死ぬまでこーしてたいです♪」


「……………」


「…え、もしや気持ち悪いと思いました!?」


「いや……キュンとして言葉が出なかったわ。」



いつもならツッコむところが不覚にもキュンとするとは…


たぶん俺、この先蒼井に勝てる気がしない!

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