ダーリンは王子様★
蒼井を無事送り届け家に戻る。


…アイツ大丈夫かな。


放っておけないってまさにこういうことを言うのか。



パーカーの上に着ていたPコートのポッケに両手を突っ込む。


ふと、家の前に誰かがいるのが見えた。



こんな時間に誰だ…?



暗くてよくわからないが、その人は門のとなりのうちのポストに何かを入れると走りさっていった。



「……なにっ?郵便?………こんな時間に~?」




足早に家に向かうとポストを開けた。



中には真っ白な封筒が1つ……




宛名は……


「二階堂……政…宗……様……」




俺!?



それ以外には何も書いておらず差出人の名前も書かれてなかった。



「…なに…ものすごく怖いんだけど…」




サンタの贈り物か?



寒さで震える手で封筒を開け、中身を出す。




中には1枚の紙…





「えーっと………政宗のこと………」








政宗のこと




好きだったよ。





信じてたのに。














「………な…なにコレ…」




俺の手元から手紙がヒラヒラと落ちる。








この手紙が、





これから起こる大変な出来事の前触れだと




今は知るよしもなかった。









「……に、しても達筆だなコレ!」


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