ダーリンは王子様★
「数年ブリに見る雪だったから思わず興奮しちゃって……」


「……え、まさか?」



「王子もあたしも思考が完全にそっちいっちゃって…………それで、おしまい☆」



「はああああぁ…」




香奈ちゃんがコレでもかってぐらい大きなため息を吐き出し肩をガックリ落とした。



「そんなに残念な顔しないでよ!」


「だってさあ~…そこまでいっといてそれって……なんだかなぁ。」



「でもあたしはチューだけでじゅうぶん幸せだったよ☆」


「ピュアだな~!」



「それに!プレゼントももらったし♪」


「なにもらったの?」


「王子とお揃いのグッチの香水と、ハートのネックレス!」


あたしはわざわざマフラーを外して香奈ちゃんに自慢するように見せた。



「へぇ!王子もイイ趣味してんね!」


「えへへ♪それほどでも…」


「いやアンタじゃなくて王子に言ったんだけど。」



王子が褒められるとなんだかこっちまで嬉しくなっちゃうよ☆



「……うんうん、確かに高そうなイイニオイするわ。」



香奈ちゃんはあたしの首のあたりに顔を近付けてしみじみと言った。



「これをつけるたび、王子の顔がフワッと浮かんでさぁ…もう、ヨダレもんだよ。」


「怖い怖い!ただの変態じゃん!」


「あははっ☆」


「まぁ幸せそうで何よりだけどさ…3学期の終業式まであと少し!彼女(仮)の(仮)が取れる日はもうそこまで迫っているぞユカリン!」


「はいっ!先輩っ!あたし頑張りますっ!」


「いや頑張るのは王子の方じゃない?」


「あ、そっか。」


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