ダーリンは王子様★
始業式でしっかりと王子の代表挨拶を聞く。


「王子の代表挨拶も、残るところ終業式のみだねぇ。」


あたしの後ろで香奈ちゃんが懐かしむように言う。



“王子様”としての王子を見るのもあと少しなんだよね。


王子を終えたら心おきなく堂々と付き合えるからうれしいけど、王子としてこうやって公の場には出なくなるんだよなーと思うと、なんだかちょびっとだけ残念。



でもでも!
ようはあたしだけの王子様になってくれるってことだもんね!


キャッ!恥かしっ!



「なにひとりでモジモジしてんの。」


「あ、ちょっと今後のことを妄想してまして…」



王子がペコリと頭を下げると大きな拍手がわいたので、あたしも慌てて拍手をした。



始業式が終わって、教室に戻るとロングホームルーム。3学期の話をタダっちから聞いて終了。



「ふわあぁ~。今日はさっさと家帰って寝ようっと。ユカリンは?」


大きなあくびをしながら香奈ちゃんがカバンを肩にかけた。



「あたしは今日は王子と一緒に帰る約束してるんだっ♪」


「あら、アツアツですこと。じゃあ、あたしはこれで☆お先~!」




香奈ちゃんとわかれ、VIPルームに向かう。



新学期始まったばっかだってのにVIPルームのとなりの生徒会室には役員の人がたくさんいた。


生徒会室の前をしゃがんで足早に抜け、部屋のドアを3回ノックして入る。


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