ダーリンは王子様★
「さぁ…あたしもよくわかんないけど…とりあえず、王子は王子を辞めなくていいってことじゃん?」


「そうなの!?」


「…たぶん。ほら。」



香奈ちゃんの指さす方を見ると、王子があずさんに背中を押されるようにステージからおりてくるところだった。


さっきまで緊張感と殺気に包まれていたのがまるでウソみたいに、拍手はおさまらなかった。





「なんかこの展開の早さについていけないけど…とにかく王子は王子を辞めなくていいし、恋愛自由だからユカリンは堂々と王子の彼女として付き合っていいってことだよ!ハッピーエンドってこと!」


「へ…そうなの……そうなの!?」



呆然とするあたしに、香奈ちゃんが両肩を叩いて教えてくれた。




みんなが、納得してくれた。


みんなが認めてくれた


って、ことだよね。




あずさんに感謝しなくちゃだ。



あたしは去っていく王子の姿を笑顔で見送っていた。


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