ダーリンは王子様★
教室の前に着くと「じゃ、先に行くからな」と言ってタダっちが教室の中に入っていった。


なんだかあたしよりタダっちの方が緊張してるっぽかったなぁ…


あたしもちょっと緊張した方がいいのかしら…



「アアアア、アオイユカデス!ヨヨヨヨロシクオネガイシマス!」



………………


これじゃ壊れかけのロボットだな。


ちょっと乙女の恥じらいを見せてみるか!?



手を前にしてー…モジモジしながらぁー…



「みなさんはじめましてっ♪蒼井ユカですっ☆ウフフっ♪」


「なにやってんだよ!」


「ギャッ!」



教室のドアからタダっちの顔が、ぬっと飛び出していた。


「や、ちょっとイメトレをー…」


「なんでもいーけど早く入ってこい。俺3回くらいお前の名前呼んだんだからな。カッコ悪いじゃん。」


「え!そうだったの!?ごめんごめん!」



あたしは慌てて教室に飛び込んだ。ガヤガヤ騒いでいたのが一瞬にして静かになった。


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