ダーリンは王子様★
「大丈夫だよ、おにー。僕がさっき『申し訳ありません。ただ今、兄はお風呂に入っているところです。すぐ上がるように言ってきますので10分程お待ちいただけますでしょうか?』って、ちゃんと“王子様”の弟として時間かせぎしてきたから。」



「お前ホントに小学生?気持ち悪いくらい大人な対応だぞ…」


「そんなことより、僕がせっかく時間かせいであげたんだから早く支度したら?」



「はっ!そうだった!うおーっっ!やべー!10分じゃ時間たりねぇー!」



ピアノがある姉貴の部屋から慌てて飛び出し自分の部屋に戻る。




えっとー…えっとー…なんだ!?王子様の私服ってどんなだよ!



クローゼットをあけて片っ端から放り投げていく。



わっかんねー…

はっ!
そうだ!
梓さん!
梓さんの私服を思い出せ!!



…黒いパンツに


白いシャツ……



「それだ!」



ダボダボパーカーに、中学時代の青いジャージのズボンを脱ぎ捨て急いで着替える。


黒いパンツに白いシャツ!よし!


つーか家で普段こんな格好してるやつなんていんのかよ…


梓さんは別として…


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