君の声、僕の歌姫
待ち合わせ場所の大広場では、既に2人が待っていました。

キルシュは肩が凝ったのか片腕をくるくると回し、

少し離れた場所ではハルトは傍にいた黒猫と戯れていました。

ラウトはとりあえずキルシュの方に話しかけました。


「もう、遅い!　って言いたい所だけど……あたしもさっき着いた所なんだよね」


さっきのラウトと同じように、キルシュも男達に襲われていたのでしょう。

無事な様子を見ると余裕で全員を倒したんだな、とラウトは思いました。


「えっと……ハルトは何を?」
「え!?　ハルトいたの?　もう、言ってくれれば良かったのに……」


少し離れた場所にいたハルトにも気付かなかったキルシュ。

さっき自分を見つけてくれた時と良い、

ハルトはどれだけ気配が薄いんだとラウトは思わずにはいられませんでした。
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