君の声、僕の歌姫
「悪い……傷が痛む訳じゃないんだ。気にするな」
「気にしますって!」


すると、イフェルはダーリアに抱きつきました。

ダーリアは突然の事で頭が混乱しました。異性に抱きつかれた事がなかったのでしょう。


「感謝だけはする」


何故感謝されるのかが分からないダーリアは、子供をあやすかのように、

“どうか泣かないで。私がいます”と呟きました。

イフェルの傷が全て消えてしまった時、

そのイフェルのダーリアに対する感謝は恋心となっていました。

が、ダーリアは自分の傷の完治まで傍にいる約束でした。
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