君の声、僕の歌姫
それにダーリアは人間で、イフェルは不老不死に近い魔法使い。

愛し合う事はもってのほかでした。

それでもイフェルの気持ちは抑える事は出来ませんでした。


「もう、傷の方も完治しましたし……私がいなくても大丈夫ですね」


簡単な身支度を整えてから、扉の前に立つダーリア。

その表情は何処か寂しそうでした。イフェルもまた、同じように寂しそうな表情でした。


「今まで楽しかったです。有難うございました」


その言葉にイフェルは何も言えずにいました。

スッと扉を開けようとするダーリアを、イフェルは止めました。

このまま出て行かれたら二度と会えなくなる気がする。そう感じたのでしょう。
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