君の声、僕の歌姫
「イフェルさん? どうかしました?」
「もしお前が迷惑でなければ、此処で住まないか?」


好きだと言う告白よりも先に、その言葉でした。

イフェルはきっと断るだろうと思っていました。

しかしまるでダーリアはその言葉を待っていましたと言わんばかりに、


「私で良ければ、喜んで。貴方には私がいないと駄目な気がしますから」


と微笑みを浮かべながら言いました。ほんのりと頬も桃色に染まっていました。

それはきっとダーリアも自分の事を好いてくれているのだと、イフェルは思いました。


「オレの事は嫌いか?」


確認の為にイフェルは聞きました。するとダーリアは、


「いいえ、愛しています」


そう答えました。
< 200 / 227 >

この作品をシェア

pagetop