君の声、僕の歌姫
男達を全員倒したイフェルはダーリヤの傍まで歩み寄り、

彼女と赤子の亡き骸を抱き寄せました。


「すまなかった、すまなかった…………」


イフェルは2度目の涙を流しました。それは歓喜の涙ではなく悲しみの涙でした。

その悲しみを傍観していたのか、スッと影から何者かが現れました。


「悪魔と呼ばれたお前だ。彼女がこうなる事くらい想像がついた筈だ……
所詮人間との恋は無理だったんだよ……」


イフェルの下の兄弟である、フェネルでした。

フェネルはダーリヤの亡き骸を見て更に一言をイフェルに浴びせます。


「この女を不幸にしたのはお前だ。恐らく転生も出来ないだろう」
< 205 / 227 >

この作品をシェア

pagetop