君の声、僕の歌姫
「…………そして18年前、オレは疑いたくなるような事実を目の当たりにした」


それが、生まれ変わる事のない筈だった魂が転生した事でした。

しかしそれが誰に宿っているのかすら分からなかったのです。

探し続けて18年。漸く見付けたのが…………


「俺、か」


ああ、とイフェルは言いました。そしてイフェルはラウトに会うべく、

恐ろしい計画を立てました。それがあの時の謎の病でした。

イフェルはラウトが片思いしている相手を知っていました。

その相手が自分の大事な物を引き換えに、命を助ける事も分かっていたのです。

イフェルの仕組んだ計画は、フェネルがラウトに力を貸す事以外想定内だったのです。
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