君の声、僕の歌姫
ラウトの目の前には全身がボロボロのイフェルが立っていました。

ラウトはそれを喜ぶと同時に、不満をあげました。


「避けられた筈なのに、どうして避けなかった……!」


フッと笑うとイフェルは言葉を吐き捨てました。


「1000年ぶりに、オレの存在を喜ぶ人間がいた。お前の言葉のせいで思考も狂ったんだよ」


イフェルは右ポケットから小さな小瓶を取り出しました。

その小瓶にはほんのり水色に色づいた液体が入っていました。


「約束だ。持って行け」


液体の正体はスティーの声でした。飲ませれば声が戻ると言う事でしょう。
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